独身女性が一人で生きていくためのライフプラン~住宅購入編①

かつて女性は、結婚して仕事を辞め家に入るケースが多くありました。つまり、仕事は結婚するまでという女性が多かったのです。時代は進み、男女雇用機会均等法や女性活躍推進法等が制定され、女性の就業率は上がりました。従来は、女性=夫に扶養されて生活する時代でしたが、仕事を続ける割合が増え、一定数結婚を選択せず、いわゆる「おひとりさま」として生きる方が出てきました。多様性の世の中ですので、生き方は人それぞれです。

ただライフプランによって、「そなえ」の仕方は変わってきますので、今回は「おひとりさま」にとっての「住居」と「そなえ」に焦点を充てて解説していきたいと思います。

目次

マイホーム購入か賃貸か

人生における3大支出をご存知ですか?「教育費」「住居費」「老後の費用」と言われています。

「おひとりさま」を選択した場合、「住居費」と「老後の費用」が大きな人生における大きな支出です。家を購入した場合、購入に伴う諸費用や、不動産の維持費用が発生しますが、自分の資産として保有できます。またローンを完済すると、住居費の支出は、維持費用のみになるので、収支における住居費の割合を抑えることができます。

賃貸を継続するのも1つの選択肢ですが、不動産にかかる維持費用はかからない一方、一生涯家賃の支払いが発生する点に留意が必要です。住宅ローンを利用する場合は、借入期間を30年~35年とするケースが多いため、購入意向があるのであれば、遅くとも30代~40代で検討した方がよいでしょう。退職後も、ローン返済が長く続く場合、年金暮らしにとって大きな支出となります。

住宅購入を検討する時、物件価格に気を取られてしまいますが、物件価格以外の諸費用もある程度かかります。ここで、住宅購入にかかる費用について、大枠を解説していきましょう。

物件以外にかかる費用とは?

費用の種類は、購入する物件が、「マンションなのか戸建てなのか」「新築なのか中古なのか」によって若干異なります。例えば、将来転売することを考え、中古物件を買ったとします。その場合、まず仲介した不動産会社宛に払う「仲介手数料」が発生します。これは不動産の売買契約時に支払うものですが、多くは一部現金で払い、残りは引き渡し時に払うケースが多くあります。それ以外に「手付金」という簡単に売買契約を破棄できないようにする費用もあり、これは現金での準備が必要となります。
金融機関宛には、「融資手数料」や「保証料」、司法書士に登記を依頼するための「登記費用」等が発生します。金融機関宛の諸費用や、仲介手数料の残りは、物件購入に上乗せして、ローンを借りることは可能ですが「手付金」は現金での支払いが必要となりますので、事前に準備しておくとよいでしょう。
現在、「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置等」が延長されているため、親等の直系尊属からであれば、500万円までないしは物件によっては1,000万円まで非課税で贈与受けることができるので、活用するのも1つでしょう。以上が住宅購入にかかる費用の概要でした。

なお、物件探しは、自分がどこのエリアに住みたいか?どんな間取りがいいか?等、まずは自分の意向から見ていきましょう。そこを起点に、どのくらい借入ができるのか?諸費用等の準備はできているのか?を踏まえ、駅からの立地や築年数を鑑みて、絞っていくのが望ましいです。

自分に合った備えと運用

お金は、「つかう」「ためる」「ふやす」「そなえる」といった4つの役割が存在します。
「つかう」=生活費、「ためる」=緊急時に使えるお金、「ふやす」=資産運用、「そなえる」=社会保障+民間保障です。この色分けをするには、まずご自身の現状を把握することが重要です。
収入や支出、自然体の貯蓄額を見える化するシミュレーションが望ましいでしょう。実態を把握することで、いくら運用すればいいのか?自分に万が一があった時にそなえなければならないお金はいくらなのか?が見えてきます。「おひとりさま」の場合、自身の収入は基本自分で使えるものではありますが、将来の老後資金や、周りに迷惑をかけないようなそなえは早め早めに検討すべきでしょう。具体的には、「死亡時」「就業不能時」「病気・けが」「ガン」の4つの項目についてのそなえです。毎月社会保険料を支払っているので、公的な保障をベースに考え、自身の生活水準と照らし合わせた時に、どのくらい民間で補うべきかを考えていきましょう。

次回は、住宅購入編後半、独身女性の資産運用について触れていきます。

続編はこちら
独身女性が一人で生きていくためのライフプラン~住宅購入編②

記事の監修

中山梨沙

2級ファイナンシャル・プランニング技能士
大学卒業後、メガバンクにて12年間勤務。主に預金や投資信託、住宅ローン、相続遺言等リテール営業に従事。金融教育に携わるべく、企業型DCの加入者向け教育業務も経験。
その後、外資系保険会社に移籍し、リスクマネジメントなどのより幅広い実務経験を積む中で、一つの金融機関に属さない職業としてのFPになる決意を固め、現職に転身。
「お金に関して、巷に溢れる情報やセールスに惑わされず、必要なものを自身で取捨選択できる人を増やしたい」。そんな信念で日々活動中。

メッセージ
「人生は選択の連続。時を戻して選ばなかった道をやり直せるわけではないので、自分の選んだ道はいつでも正解。それに対する 納得感は考えた時間に比例する。」これが私のモットーです。 何かを選択する時、土台となるお金について私と一緒に考えてみませんか?ワクワクや安心がいっぱい!そんな人生設計をお手伝いします。

この記事が気に入ったら
いいねしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

■ペンネーム
Mare8
■不動産歴
6年
■保有資格
宅地建物取引士、AFP
■得意なジャンル
不動産売買関連
■自己紹介
不動産業界歴は6年目です。不動産会社でパート勤務をしています。業務では、主に土地の売買仲介に携わっています。現地調査から役所調査、契約関係書類の作成をしています。
将来的に避けて通ることはできないであろうと思い、空き家対策関連の講習等に参加したりしてノウハウを勉強中。
宅建士とAFPの資格を保有していますので、その知識を活かしてお客様の相談にもたまに対応させていただいています。
経験を活かした執筆ができればと思います。

目次