賃貸併用住宅の住宅ローン控除の条件とは?注意点も詳しく解説!

賃貸併用住宅とは、一つの建物の中に、居住用スペースと賃貸用スペースがある建物のことを言います。2階建てや3階建ての一部をマイホームとして使用し、2階・3階部分を第3者に賃貸するなどで、家賃収入を毎月のローンに充てることができるというメリットがあります。

将来的には、賃貸部分を両親やお子様と一緒に住んで2世帯住宅にすることも可能です。
居住スペースは別だとしても、やはり第3者と同じ建物に住むことになるため、プライバシー確保の問題や入居者トラブルが無いわけではありません。まずは、賃貸併用住宅のメリット・デメリットを見てみましょう。

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目次

賃貸併用住宅のメリット

賃貸併用住宅の1つ目のメリットは、住宅ローンとして融資を受けられることです。住宅ローンは、基本的には個人が自宅を建てるためのローンであり国民が住宅を取得しやすくするために考えられた政策的なローンです。一方、不動産投資目的のアパート経営の為のローンは、アパートローンといい住宅ローンより返済期間も短く、金利も高めに設定してあります。構造上判断される、法定耐用年数によって返済期間が決まりますので、短くなればなるほど月々の返済金額も大きくなってきます。賃貸併用住宅は、条件によって個人向けが基本の住宅ローンを利用することが出来ます。

2つ目のメリットとして、家賃収入で自宅部分のローンの返済ができることです。入居者がいれば(空室でなければ)、家賃収入があるのでそれを返済に利用できるので負担を軽くすることが出来ます。
3つ目のメリットとして、固定資産税の特例もあります。住宅用地についての固定資産税の軽減措置です。住宅用地の課税標準額については一戸あたり200㎡までが1/6、200㎡を超える部分については1/3に減額されます。さらに賃貸併用住宅の場合、戸数が増えればその分減額できる面積が大きくなるのです。

賃貸併用住宅のデメリット

反対に、賃貸併用住宅のデメリットは、まず1つ目として、オーナーと入居者との距離が近いことです。同じ建物の中に、他人が住むことになりますので多少のわずらわしさも出てきますしプライバシーの侵害もあるでしょう。様々なクレームが直接伝えられ、トラブルに巻き込まれてしまう可能性も考えられます。建物の構造によっては、深夜の騒音や洗濯時の音等が気になってしまうこともあるでしょう。
2つ目に、通常の戸建を建てるよりも建築費がかさみます。通常1つあれば足りるキッチンや浴室・トイレ等も戸数分必要になりますし、建物自体も大きく建てる必要があります。入居者が入っている場合には家賃収入をローンに充てることが可能ですが、空室の場合は自分で返済しなければなりません。
万が一家賃経営が厳しくなってきて手放す事になった時に、賃貸併用住宅は、通常の賃貸物件に比べて売りにくい点です。住宅ローンを組む条件の一つに、自身が居住している必要があるので、引っ越しもしづらいです。また、賃貸併用住宅の自宅部分は収益物件ではないので、投資目的の買い手にしてみれば魅力が乏しくなります。しかし、建築前に収支計画を綿密にしたり、自宅部分も収益物件として売却可能な造りを想定して設計するなど、戦略を考えておけばそこまで悲観しなくてもよいでしょう。

住宅ローン控除を利用するには

先述した、賃貸併用住宅の一番のメリットである住宅ローン控除を受けられる条件を説明します。
住宅ローン控除が適用されると、年末時点での住宅ローン残高の0.7%が最長で13年に渡って給料などから納めた所得税や住民税から控除されます。賃貸併用住宅で住宅ローン控除を適用する為には以下の条件全てが必須になります。

住宅ローン控除を受ける年の所得が2000万円以下であること

住宅ローン控除を受けようとする方自身の合計所得金額が2000万円以下でなければいけません。ただし、床面積が40㎡以上50㎡未満の場合は、合計所得金額が1000万円未満となるので、注意が必要です。

新築または取得した日から6ヶ月以内に住み始めていること

また、住宅ローンを受ける年の年末(12月31日)まで引き続き住んでいること
ローン控除を受ける住宅に住み続けることが条件です。住宅を購入してから、引っ越しするまでに期間が空いてしまう方は注意が必要です。

借入期間が10年以上であること

住宅ローン控除を受けるためには、10年以上にわたり分割して返済を続けなければならない借入金や債務があることが条件の一つです。

適用を受ける年を含めて5年間の間に、長期譲渡所得などの減税措置の適用を受けていないこと

居住し始める年の前の2年以内と、居住後の3年以内に譲渡所得の課税を控除する特例を受けていないことが条件です。

住宅の面積が50㎡以上で、その1/2以上が自己の居住用になっていること

床面積の51%以上を自己の居住用スペースとして設計すれば、賃貸併用住宅であっても自己の居住用の住宅ローンを利用するときと同じ様にローン控除を適用できます。

控除の注意点

しかし、住宅ローン控除を適用できるとしても、何もせずに給料に反映されたり、還付金が振り込まれたりするものではありません。確定申告が必須となります。一般的な住宅ローンの場合の確定申告は、会社員であれば1年目だけで2年目以降からは給料からの天引きになりますが、家賃収入を得られる賃貸併用住宅で住宅ローンを受ける場合は、毎年確定申告が必要になりますので注意が必要です。しかし、心配しなくても一度必要な書類の用意や記載する内容を経験すれば2年目からはスムーズに処理できるでしょう。
住宅ローンは、賃貸併用住宅のうち、自己の居住用の部分の床面積の割合分のみに適用されるので、残りの床面積分のローンは、その他のローン(例えばアパートローン等)が適用になります。ですので、控除を受けられるのも自己の居住用部分のみであることに注意が必要です。

まとめ

賃貸併用住宅はうまく活用すれば、住宅ローンの負担を抑えて自宅に住むことができ、さらに通常の賃貸住宅では受けられない住宅ローン控除や税率の軽減措置などを受けることができる他、収益も見込めるというメリットがたくさんある方法です。もちろん、空室になれば収益は見込めず、建物規模が大きいため負債の負担が大きい等のデメリットも考えられますが、事前に資金計画や将来のライフプランシュミレーション計画等を綿密に組み立て、有効に活用できるように対策をすれば、魅力ある建物でしょう。賃貸併用住宅を検討する際は、ご自身の負担が大きくならないようにしっかり計画を立て、控除を受けられる条件をきちんと把握してください。

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記事の監修

奥 惠美
自身の子育て経験も踏まえ、家族や家計の幸せな未来のお手伝いができるよう個別相談やセミナーを中心に活動。

メッセージ
ライフプランは人それぞれであり、夢や目標もそれぞれ違います。 ですので、お一人お一人に合わせた家計の相談を解決することが私たちの喜びです。 まずはライフプランを作成し、そしてステージが変わるたびに見直しを行い、 お金のことで未来を諦めないご家庭が増えていくことを願って日々活動しています。

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この記事を書いた人

■ペンネーム
Mare8
■不動産歴
6年
■保有資格
宅地建物取引士、AFP
■得意なジャンル
不動産売買関連
■自己紹介
不動産業界歴は6年目です。不動産会社でパート勤務をしています。業務では、主に土地の売買仲介に携わっています。現地調査から役所調査、契約関係書類の作成をしています。
将来的に避けて通ることはできないであろうと思い、空き家対策関連の講習等に参加したりしてノウハウを勉強中。
宅建士とAFPの資格を保有していますので、その知識を活かしてお客様の相談にもたまに対応させていただいています。
経験を活かした執筆ができればと思います。

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