家を建てる時はどんな土地に建てるべき?戸建ての土地選びで失敗しない方法を解説!

一生に一度の買い物である“家を建てること”は絶対に失敗したくないですよね。大切な家を建てるための“土地選び”には悩む方も多いのではないでしょうか?

土地の購入で失敗しない方法とは?

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いい土地に家を建てたいけど、すべての条件をクリアするような土地は、簡単に見つかるものではありません。そうなると、どの要素を重要視すべきか、を自分たちの中で明確にする必要があります。

日当たりや風通し、交通や周辺施設の利便性など住環境のものを意識がいきがちですが、今回は意外と見落としがちですが重要な要素について取り上げていきます。

目次

どんな土地に家を建てるべきか?

災害に強い地盤の土地

最初に個人的なお話をしますが、私は2016年に起こった熊本震災を経験しました。あのとき震度7の地震が二度続けて発生する、というまれにみる事態に遭遇し、大変な思いをしたものです。

当時、私はプロパンガス販売店で働いていたので、各顧客のライフラインの復旧に奔走することになりました。中には完全に倒壊している家屋も多数あり、災害時に強い土地に家を建てることの大切さを痛感しました。

もちろん現在の耐震技術の向上により、家屋への被害をある程度軽減することはできます。実際、震源地に近い場所でも、比較的最近建設されて、地盤工事をしっかり行っていた家屋は、倒壊を免れて建っていたのを目撃しています。今後、新築で家を作る場合は、元々地盤の強い地域を探していただくことを強くお勧めします。

今回は、私の個人的な経験を踏まえつつ、家を建てる時に土地選びで失敗しないために知っておきたい、自然災害に強い、戸建て向きの土地を解説していきます。

災害に強い土地とは?

さて、自然災害の中でも地震に強い土地を見つけるためには、まずそこが“良い地盤”なのかを見極めなければなりません。

良い地盤とは「硬質地盤」と呼ばれており、岩盤や砂礫が多く含まれているので硬く、引き締まっているのが特徴です。

私はプロパンガス販売店に勤めていた時、地震で家が倒壊したお客さまの新しい家作りで、建設会社との橋渡しとして、建築工程を一から携わらせていただいた経験があります。
そのときに問題になったのは、地盤の強化工事をどこまで行うのか、その方法の選定でした。

土壌にコンクリートの柱を打ち込む、いわゆる“柱状改良工法”も案としてありましたが、予算が取れないということで、結局“ソイルセメント”という、『セメント系固化材と水を混ぜたミルクセメントと土地にある土を混合し、地中に柱状の杭を製造する』という工法を使用することに落ち着きました。

そこの土地が元々硬質地盤であったなら、直接家の基礎部分を作ることができ、地盤改良工事する必要がない、ということになります。地盤改良工事の必要がない即ち、工事費用を節約できる、ということにもなります。

そのお客様は、すでにご高齢だったこともあり、長年住んでいた土地に愛着を持っておられました。そのため、どこか別の土地を探す、という選択肢はありませんでした。

自然災害に強い土地を探す方法

元々住んでいた土地に家を再建するパターンだと、その土地の過去の歴史を紐解くことは容易ですが、新しく家を建てるために土地を探すとなると、どのような災害が起こったのかを調べておくのが重要になります。

その際、活用するのはハザードマップです。ハザードマップとは、「自然災害による被害の軽減や防災対策に使用する目的で、被災想定区域や避難場所・避難経路などの防災関係施設の位置などを表示した地図」のことで、現在では、インターネットでも検索できるようになりました。

また、もともと川や海、田んぼで後に埋め立てしたような土地も調べるべきです。これらの土地は、水分を多く含んでいる可能性が高く、液状化も起きやすいため、地盤チェックをしっかり行う必要があります。

液状化とは「地震が発生して地盤が強い衝撃を受けると、今まで互いに接して支えあっていた土の粒子がバラバラになり、地盤全体がドロドロの液体のような状態になる現象のこと」です。熊本震災のときは、この液状化が起こった地域を間近に見る機会がありました。

あれほど重く頑丈な家屋が、数軒に渡り、いともたやすく地盤沈下し、斜めに傾いたり倒壊状態になっていた光景は、かなりのショックでした。

土地の歴史を調べる一番いい方法は、実際にそこに住んでいる人に聞いてみる、すなわち“現地調査”です。例えば雨の時に行ってみれば、その土地の水はけのよさなども確認できるでしょう。

また、土地のこと以外でも、近所にどのような人が住んでいるのかという情報も掴めるかもしれません。こうした“ご近所問題”も家を建てた後に問題になる事柄の一つです。

あと、古くから先人の知恵として、洪水や土砂崩れの危険性が高い地域には、自然災害にちなんだ地名がつけられていて、後の者たちに警告を残しています。

たとえば「水」に関する漢字が使われた地名は、過去に津波被害や台風、豪雨などによる大きな災害があった地域、また、「蛇、竜、龍」などが使われている地名には、過去に大規模な土砂災害が発生しているケースが多い、といわれています。

最近では、合併による地名変更もあり、こうした過去の地名が風化していく傾向がありますので、必要なら古地図などを探してみることも検討しましょう。

私は、地震の際、高台に建つ家に住んでいました。普段は車がないとなにかと不便な場所でしたが、地震の際は、基礎部に若干のひびが入った程度で、家自体には大きな損傷はありませんでした。

家を建てる場合には、硬質地盤の中でも高台を選ぶのがおすすめです。低地より、地震や津波・大雨の被害も少ない傾向があり、さらには液状化現象とも無縁というメリットもあります。

ただし、その分、場所によっては台風の直撃をもろに受けるというデメリットがあることは考慮しなければなりません。
また、震災後、最も苦労したもののひとつである“断水”では、高台にある家だと、低地にくらべて復旧が遅れた、という事実があります。

また高台ですと公共交通機関状況などによっては日々の生活に車が必須になるなど不便で年齢を重なると生活するのが困難になることもあります。
現在だけではなく将来の居住計画も検討したうえで判断することが重要です。

まとめ

今回は安全な立地、自然災害に強いという視点で土地探しを見てきました。
日当たりや風通し、交通や周辺施設の利便性など住環境のものを意識がいきがちですが、一度でも見舞われたら、せっかく建てた夢のマイホームやご自身の人生に、かなりのダメージを受けることになる自然災害ですので、土地選びの際は入念に調査・検討するようにしましょう。
そのうえで多少不便でも安心安全な立地を選ぶ、多少金額がかかってもしっかりとした地盤の強化、土地のかさ上げなどしっかりとした対策を実施し住むなどの判断をしましょう。

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記事の監修

久保 雅巳
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
累計約800件の相談業務に従事。お客様に「知らないことで損をさせない」「お金のことで後悔させない」「お金のことで不安にさせない」をモットーに活動中。

メッセージ

お金に関する疑問、不安などを一緒に解決します。 わかりやすく、楽しく、ためになり、実践できる、コンサルティングを提供し、人生がいい方向に進むようトータル的にサポートを させていただきます。

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この記事を書いた人

■ペンネーム
のーいち
■不動産歴
10年以上
■保有資格
普通自動車免許、液化石油ガス設備士、高圧ガス販売主任者
■得意な不動産ジャンル
相続関係、アパート経営、リフォーム関係、入居者トラブル
■自己紹介
現在、九州に在住。50代・妻(40代後半)と娘(高2)、そして80代の母がいます。
親から譲り受けた古いアパートの経営を10年以上経験。その間、入居者を募るため様々なトライ&エラーを繰り返しました。
またライフライン系の仕事を長年続けたことで、収益物件のオーナーや不動産業者の方々と多く接する機会があったことも財産になっていると思います。

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