注文住宅はどこがいい?大手ハウスメーカーと地元工務店の違いとは?

注文住宅を建てるにあたり、大手ハウスメーカーと地元工務店の違いや、それぞれの選び方、価格差の理由について理解することが重要です。
この記事では、両者の違いを理解し、自分の要望や予算に合った最適な選択をするためのポイントについて詳しくご紹介します。

目次

大手ハウスメーカーと地元工務店比較

まず、大手ハウスメーカーと地元工務店の違いを見てみましょう。

価格の違い

大手ハウスメーカー: TV CMなどの広告宣伝費、全国各地の展示場の管理費、研究開発費、工事を外注するなどの費用、アフターサービスに力を入れている、などの理由から建築価格が高くなりがちです。

地元工務店: これらの費用が少ないため、一般的に建築費を抑えることができる傾向があります。工務店は地域内でのつながりが強いため、資材の仕入れ先も近所で完結できる傾向にあります。

施工エリアの違い

大手ハウスメーカー: 全国的な営業拠点を持ち、広範なエリアで対応可能です。

地元工務店: 主に地域内の工事に特化し、地域外の対応は限られた範囲になります。

プラン(間取り)の自由度の違い

大手ハウスメーカー: 用意されたプランから選ぶスタイルで、一方で自由度は制限されます。

地元工務店: 顧客の要望に合わせた高い自由度を提供し、個別の設計や仕様に対応します。

工期の長さの違い

大手ハウスメーカー: 工期:3ヶ月〜4ヶ月システム化された施工フローにより、比較的短期間で建物が完成します。

地元工務店: 工期:4ヶ月〜5ヶ月設計から加工まで手作業で行うことが多く、工期が一般的に長めになります。

アフターメンテナンスの違い

大手ハウスメーカー: アフターメンテナンスを標準化し、信頼性のあるサポートを提供します。定期点検などの連絡も入るので、安心です。

地元工務店: アフターメンテナンスの品質とサービスが会社ごとに異なり、ばらつきがあります。人手が少なくて十分なサービスが提供されない会社もあれば、手厚いメンテナンスをしてくれる会社もあります。

大手ハウスメーカーのメリットとデメリット

大手ハウスメーカーのメリット

信頼性とブランド力: テレビCMや住宅展示場などで知名度が高く、ブランド力があります。不具合が発生しても迅速な対応が期待できる安心感があります。将来的な売却時にも有名メーカー施工としての価値があります。

安定した品質: ハウスメーカーは施工プロセスをシステム化し、マニュアル化されているため、建物の品質が一定です。長期保証やアフターメンテナンスが充実していることも魅力です。

大手ハウスメーカーのデメリット

高い建築費: ハウスメーカーで建設する場合、一般的に建築費が高くなることがあります。広告宣伝を行うため、その分建築費が上昇することがあります。

柔軟性の制限: ハウスメーカーは標準的な仕様が定められているため、個々の細かな要望には対応しきれない場合があります。自由な設計やカスタマイズが難しく、追加オプションやプラン外の要望は高額になることがあります。

工務店のメリットとデメリット

工務店のメリット

費用削減: 工務店は広告宣伝にあまり費用をかけないため、建築費を削減できます。ハウスメーカーよりコスト面でお得感があります。

高い設計自由度: 工務店は固定されたプランにとらわれず、顧客の要望に合わせて柔軟な設計が可能です。個人のライフスタイルや好みに合わせた住宅を実現できます。
「子ども一人一人の個室を割り当てたい」「趣味のための部屋がほしい」など、施主の要望が叶いやすいのが工務店のメリットといえます。


密なコミュニケーション: 工務店は地域に密着し、担当者とのコミュニケーションが取りやすい環境があります。施主の意向を正確に伝え、カスタマイズがスムーズです。

工務店のデメリット

工期の延長: 工務店の建築プロセスはハウスメーカーより手作業中心であるため、建物の完成までの工期が長くなる可能性があります。

技術・サービスの差: 工務店間で技術や提供するサービスに差があるため、選ぶ工務店によって品質や満足度に違いが生じることがあります。

どっちに向いているか?

大手ハウスメーカー向きの人

ブランドの信頼性を重視。安定した施工を求める。特にこだわりがなく、信頼できるブランドに依頼したい人に向いています。

工務店向きの人

自由な設計やカスタマイズを重視。個別の要望を満たす家を実現したい。予算内でこだわりの家を建てたい人に向いています。自分の好みやライフスタイルを重視し、カスタマイズ性が重要な方におすすめです。

ハウスメーカー・工務店を選ぶ際の注意点


注文住宅のハウスメーカー・工務店を選ぶ際の基準やポイントについて詳しく解説します。
以下にそれぞれの項目について簡単にまとめてみましょう。

構造・工法

木造:
・日本の気候風土に合った伝統的な構造。
・耐久性は高い。
・耐火性や耐震性にやや劣ることがある。
鉄骨造:
・鉄骨を使用し、耐震性が高く、間取りの自由度が高い。
・耐火性はやや劣る。
鉄筋コンクリート造:
・高い強度で耐震性や防火性が高い。
・大空間に適している。
・技術進歩により耐久性の違いは縮まっている。

デザイン

ハウスメーカー・工務店による得意なデザインがあり、展示場のモデルハウスを見ることが重要。外観デザインと性能を両方考慮しましょう。

価格・費用

予算内に収めることも重要。こだわり箇所と削減可能な部分を整理して比較検討。内訳を確認し、価格の根拠を理解しましょう。

サービス体制

アフターサービス内容や保証期間も検討。定期点検システムや連絡窓口の有無など、将来のトラブルに対するサポートが重要。

営業担当者の人柄・相性

営業担当者との相性も考慮。コミュニケーションや信頼関係が円滑に進むかも重要
これらの項目を総合的に考えることで、自身のニーズや希望に最適なハウスメーカー・工務店を選ぶことができます。将来の暮らしを考え、慎重な選択が成功の鍵となるでしょう。

施工メーカー選びで後悔しないために

住宅を建てる際に、ハウスメーカーや工務店を選ぶ際に後悔しないための重要なポイントを以下にご紹介します。

建築費用だけで決めない

建築費用は大事な要素ですが、単純に予算内かどうかだけで選ぶのは危険です。住宅のプランは会社ごとに異なり、建築構造や仕様、デザインによって価格も変動します。見積もりの内訳を詳しく確認し、隠れた費用やオプションの有無を把握しましょう。

値引き額だけで決めない

競合他社の影響で値引きが行われることはよくありますが、あまりにも大幅な値引きには注意が必要です。極端な値引きは、元々設定が高すぎる可能性や、プランの中に隠れた追加費用がある可能性があります。建築費用の透明性を求め、値引きだけでなくプラン全体を評価しましょう。

メーカー名だけで決めない

大手ハウスメーカーの知名度や地元工務店の顔ぶれは重要ですが、それだけで決定するのは避けましょう。メディア露出が多いからといって必ずしも最適な選択とは限りません。実績や評判を調査し、自分の要望に合うかどうかを重視しましょう。

目に見えない部分もチェック

住宅建築においては、見た目だけでなく性能や品質も重要です。断熱性能や耐震性能など、目に見えない部分も検討しましょう。また、アフターサポートや保証制度など、将来のことも考えたサービス面も確認し、総合的な評価を行いましょう。
住宅を建てる際に後悔しないためには、単純な数値やメディアの影響だけでなく、プランの内訳や実績、サービス内容などを総合的に考慮することが重要です。慎重な比較と検討を行い、自分にとって最適なハウスメーカーや工務店を選びましょう。

土地を先に決めない

住宅を建てる際に、土地の選定と建築プランの提案を同時に行うハウスメーカーや工務店が存在します。しかし、土地選びを先に進めることには注意が必要です。以下にその理由をまとめました。

予算配分のバランス

土地選びで予算を多く割いてしまうと、建築費用や設備に十分な予算が割けなくなる可能性があります。予算を適切に配分し、建物の質や機能にも十分な投資ができるようにしましょう。

建築条件付き土地の制約

「建築条件付き土地」というタイプの土地を購入する場合、一定期間内に指定の建築会社で住宅を建てる必要があります。この場合、土地の売主と建築会社が同じか関連していることが多く、土地の価格が割安になる利点もありますが、他のハウスメーカーや工務店を選ぶことが難しくなります。

自分の希望を優先する重要性

自分が大切にするポイントやこだわりを実現するために、ハウスメーカーや工務店の選定が重要です。建築条件付き土地の場合、その土地を提供している会社に制約されるため、自身の希望が満たされない可能性があります。
家づくりにおいて、土地選びとハウスメーカーや工務店の選定は両方とも重要な要素です。しかし、土地を先に決めることで建築費用のバランスが崩れたり、建築条件付き土地の制約が生じたりする可能性があります。
自分の大切なポイントやこだわりを実現するために、まずはハウスメーカーや工務店の選定を進め、その後に土地選びを行うことをおすすめします。自分の理想に合った家を建てるために、計画的なステップを踏んで進めていきましょう。

迷ったときの決め手は?

ハウスメーカーや工務店を選ぶ際に最後の決め手となるポイントは、以下の2つです。

親身に相談できる会社・担当者かどうか

家づくりは長期間にわたり、様々な段階での意思疎通と信頼が重要です。選ぶ会社や担当者が、あなたのニーズや要望を理解し、親身に相談に乗ってくれるかが大切です。建築プロジェクトはトラブルや変更が生じることもありますが、信頼関係のある担当者とのコミュニケーションが円滑な対応を可能にします。

無理に契約まで運ばない会社かどうか

ハウスメーカーや工務店は契約を成立させることを目指しますが、その過程での姿勢が重要です。契約を優先しすぎて、あなたの要望や予算、安全性を考慮しないような会社は避けるべきです。理想の家づくりを支援し、あなたの希望に合わせた提案をしてくれる会社を選ぶことが大切です。

まとめ

家づくりは大きなプロジェクトですが、慎重な比較と検討を行うことで、自分の理想の住まいを実現することができます。理想の家を手に入れるために、自身のニーズや予算などをよく考え後悔のない選択をしましょう。

記事の監修

加藤 勇
2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP、証券外務員Ⅰ種、住宅ローンアドバイザー
愛知県内の信用金庫に20年以上勤務し、多数の店舗で個人・法人の資金計画等のコンサルティング業務に従事。個人の資産運用・保険・住宅ローン、法人の融資や事業計画策定といった幅広い実務経験を活かし、顧客に寄り添う丁寧なコンサルティング業務が顧客から支持されている。

メッセージ
日々進化、変化する社会の中で、自分自身も向上心を持ち、自己研鑽に励んでおります。 お客様と二人三脚で、よい人生を歩めるようにお手伝いして参ります。 どうぞよろしくお願い致します。

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この記事を書いた人

■ペンネーム
がっぴー
■不動産歴
4年
■得意な不動産ジャンル
新築戸建て・建売・分譲・デザイナーズ住宅
保有資格:宅建士、インテリアコーディネー、福祉住環境コーディネーター2級、カラーコーディネーター2級
■自己紹介
ハウスメーカーで現場監督として3年間、設計士として1年間の経験を積みました。過去の経験を生かし、住宅に関する洞察を深め、読者に有益な情報を発信しています。

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