家の買い替えで知っておきたい停止条件付契約とは?住宅のプロが解説!

自宅を買い替えることを検討している場合、新しい家を購入したいけれど今の家が売れないとローンも二重になってしまうし、なかなか購入の決断ができない方は多いのではないでしょうか?お金に余裕は無いけれど、それでも新居が欲しい!という場合、「買い替え特約」という契約の方法があります。

目次

停止条件とは?

この「買い替え特約」というのは、「自宅が(契約で決めた)期日内に(希望の金額で)売却できなかった場合、契約自体を白紙に戻す」という、停止条件のついた契約のことです。家が売れないのでは?という不安のある方でも安心して買い替えをすることが可能となる契約です。そして、この「停止条件付契約」とは、ある物事が将来、一定の事実として発生したときに初めて法律的な効力が生じる事を特約とした売買契約のことです。言い換えると、条件が成就するまでの間、法律効果の発生を停止しておく条件の付いた契約のことです。「契約してすぐには効果がありませんが、条件を満たすことができれば効果が発生しますよ。」ということです。

買い替え特約は買主にとって好都合

ただ、あくまでも買主が売主に対して提案する特別な特約であることは念頭に置いておきましょう。買主にすれば、自分の家の売却が決まれば新しい家の購入が決定しますが、売主にしてみれば、期限内に(買主の)売却が決まらなければ自分の所有する方の売却が白紙になるのです。不利な条件に間違いはないので、なかなか承諾してくれる売主は少ないと考えておきましょう。

買い替え特約のメリットとデメリット

買主にとっては、とても良い特例である買い替え特約ですが、メリット・デメリットもあります。
まずはメリットとして、買主は、じっくりと時間をかけて売却ができます。早く売却しないと新しい家が買えないと思い通常より安価な値段で交渉を受けてしまう、という様なこともなく、希望の価格での交渉を進めやすいでしょう。

どうしても気になる新しい家が見つかった時、通常なら先に買い替える家を購入してから前の家を売却するためにローンを一定時期ではありますが、二重で返済する(ダブルローン)必要が出てきます。費用がだいぶ高額になってしまいます。

しかし、この買い替え特例が成立すれば、売却した価格を新しく購入する家に充てられるので費用の心配をだいぶ軽減できます。
逆にデメリットは、先ほども述べましたがなかなか承諾してくれる売主は少ないということです。
売主にとってはリスクが大きすぎる特約なので、簡単に承諾してくれる売主は少ないでしょう。

買い替え特約の承諾をもらうポイント

売主にとっては、リスクでしかない買い替え特約。どのようにすれば承諾を得ることができるでしょうか?
それには、不動産会社の協力が不可欠です。なぜなら、売却に苦戦している売主を探してもらうためです。そして、売却と購入の両方を同じ不動産会社にお願いしましょう。不動産会社は、二つの契約において報酬を得られることになるわけですから、あなたは良い顧客となります。不動産会社の協力も最大限に受けられるでしょう。

不動産会社に仲介をお願いする場合、「媒介契約(ばいかいけいやく)」という契約を結びます。売買の契約がスムーズに執り行えるように間に入ってもらう契約です。
媒介契約には3種類の契約があり、そのうち「専任媒介契約」と「専属専任媒介契約」は、他の不動産会社に仲介を依頼しないというアピールになりますので不動産会社も積極的に動いてくれるでしょう。
なかなか売れない物件(家)を所有している売主は、できるだけ早く売りたいという気持ちが強いので、この買い替え特約を承諾してくれる可能性が高くなっているでしょう。

そこで、うまく話を進めてくれる不動産会社であればスムーズに買い替え特約の承諾を得ることができるでしょう。
しかし、どうしても取得したい家がある場合は、(承諾を)得られる可能性は低いということを念頭に置きながら、不動産会社にその家の売主にこの特約の打診をお願いしてみましょう。

まとめ

買主にとってはとても嬉しい特約である買い替え特約。

今所有の家の売却が決まったら新しい家を購入するというとても良い条件を設定できる特約です。しかし、売主側からしてみれば相手が売れるまで買ってもらえないというリスクの高い不利な特約とも言えます。しかし、売主の承諾を取るのがまったく無理なわけでもありません。

売却を急いでいる売主が所有する家や、なかなか売れない家の場合は承諾を得ることができる可能性もあります。そんな時、頼りになるのが不動産会社です。
そういう売主の情報もあるだろうし、法人事業として自ら売主となり所有する物件(家)の売却に応じてくれる可能性もあるかもしれません。不動産会社のメリットを考慮して、売却と購入の両方の仲介をお願いしてみましょう。

早急に売らなければならないと焦って、希望する価格より低くてもしょうがないと泣き寝入りすることがないよう、買い替え特約をうまく利用できるよう、頑張ってみてはいかがでしょうか?

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この記事を書いた人

■ペンネーム
Mare8
■不動産歴
6年
■保有資格
宅地建物取引士、AFP
■得意なジャンル
不動産売買関連
■自己紹介
不動産業界歴は6年目です。不動産会社でパート勤務をしています。業務では、主に土地の売買仲介に携わっています。現地調査から役所調査、契約関係書類の作成をしています。
将来的に避けて通ることはできないであろうと思い、空き家対策関連の講習等に参加したりしてノウハウを勉強中。
宅建士とAFPの資格を保有していますので、その知識を活かしてお客様の相談にもたまに対応させていただいています。
経験を活かした執筆ができればと思います。

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