失敗しないために知っておくべきマンション購入時の注意点とは?

マンション購入を検討しているけど何に注意して購入すればいいか分からない。ローンを組んでからきちんと返済できるのか、維持費はどのくらいかかるのか購入後の生活が不安。

マンション購入前の大きな不安はつきものです。
ではマンション購入の不安を解消するためにまず下記を考えてみましょう。

①無理なく返済できる借入金額はいくらか?

②購入後の維持費は年間でいくらか?

③購入に向けて使える手元資金はいくらか?

上記3点を考えるだけでマンション購入の漠然とした不安は解消されます。

目次

マンション購入の予算の考え方

無理なく返済できる借入金額を知る?

まず①についてです。毎月の手取り額から、いくら住居費に充てられるのかを確認しましょう。

金融機関は、主に返済比率(年間返済額÷年収×100)で融資できるか否かを判断します。

金融機関は、融資判断をする際、債務者(=借入する人)の生活費等、個々の実態は加味していません。そのため、想定より大きい金額が借りられると思うかもしれません。しかし借入可能額と、適正な借入額は異なります。購入前には必ずご自身の収支をシミュレーションして、実態を確認しましょう。
その際、金利上昇についても想定しておくことが重要です。長らく日本は低金利が続いており、住宅ローン利用者の大半は変動金利で借りています。しかしながら、住宅ローンを借りる場合、30年以上の返済期間となることが多いため、将来的に金利が上がる可能性は十分あります。金利が上がったら返済が厳しくなるようなギリギリの金額を攻めてはいけません。

購入後のマンションの維持費は年間でいくらか?

次に②についてです。購入後は、ローンの返済だけでなく「修繕積立金」や「管理費」が発生します。これらも将来的に上がっていくことが多いため、これらも増額を想定しておくことが重要です。その他毎年の「固定資産税」や「火災保険料」が購入後の維持費として挙げられます。①と②を足した金額がご自身の手取り額から、住居費として充てられる金額として適正なのか確認することが重要です。

マンション購入に向けて使える手元資金はいくらか?

次に③についてです。マンション購入の際は、まとまった現金を準備しておく必要があります。

例えば中古マンションを購入する場合です。不動産会社には、「手付金」と「仲介手数料」を支払います。

「手付金」とは、不動産売買契約を締結する際に発生する費用ですが、これは売主と買主が簡単に契約をキャンセルできないように設けられているものです。
融資実行前に支払う必要があるため、現金で準備しなければなりません。売買代金の5~10%程度が手付金の相場とされていますが、売買代金の一部に充当されることがほとんどです。

「仲介手数料」は、諸々の調整や事務を行った不動産会社に対する手数料です。これは、取引物件価格によって上限が決められておりますが、およそ3%程度で見ておくとよいでしょう。

金融機関にも融資実行に係る諸費用を支払う必要があります。諸費用は、契約書に使用する印紙代や、司法書士に依頼する登記費用、保証会社に支払う保証料など様々です。融資金額の2.5~3%程度とイメージしておきましょう。「手付金」「仲介手数料」「諸費用」すべて、現金で準備できるのが理想ですが、「仲介手数料」と「諸費用」は、不動産の購入代金に上乗せしてローンを借りることが可能です。

金融機関によっては、諸費用上乗せで借りる場合、適用金利が上がる場合があります。事前に確認しておきましょう。また、引っ越しに係る費用も忘れてはいけません。業者によって金額が変わるため、比較し検討することが大事です。仲介手数料と諸費用をローンに上乗せして借りる場合は、「手付金」と「引っ越し費用」が手元資金で出せるのかを確認しておきましょう。

現在、住宅取得資金に係る贈与税の非課税措置があるため、祖父母や父母から購入資金を援助してもらえる場合は、それらを活用するのも1つの方法です。この措置は、現状延長が繰り返されていますが、期限が設定されているため、利用する場合は事前に確認しましょう。

マンションを購入で重要視する条件

立地や広さ

住宅は人生で最も大きな買い物であるため、ご自身が住みたいエリアや、広さ、間取りで選ぶのも1つです。ただし、将来的に高齢者用マンション等に移るため、売却も考えるのであれば、「立地」が重要になってきます。
駅近の物件は、全国的に、特に首都圏では高騰していますが、相対的に価格が落ちづらいと言われています。耐震基準が旧耐震であったり、ローンが組みづらくなるような古すぎる物件は好ましくないですが、築年数にこだわるより、駅からの距離に重点を置いて探すのがおすすめです。
もちろん、将来的に不動産価値が下落する場面も出る可能性もありますが、そのため必ずではないですが、仮に価値が落ちたとしても、相場が落ち着いてくれば、需要の高い駅近物件は、価格の戻りも相対的に早い傾向にあります。

現在、「住宅借入金特別控除」という制度があるのも物件を探すうえでポイントになります。
中古マンションの場合、2027年までに50㎡以上の物件に入居した場合、借入金額2,000万円まで、0.7%を10年間所得から控除することができます。年末残高が3,000万円だった場合、そのうちの2,000万円に対して、0.7%なので、所得から14万円を10年間控除することが可能です。生命保険料控除や、iDeCoと合わせて利用すると、所得控除のメリットを享受できるでしょう。

物件の「立地」と合わせて、その物件を購入した場合に、住宅借入金特別控除の対象になるかを考えるのも大切です。

住環境

上記では、資産価値や控除についてご説明しましたが、マンション購入にあたっては住環境も事前に確認しておきたいところです。ただし、すべての条件が揃った物件と出会うのは難しいかもしれませんので、事前にチェックしつつ、自分にとってどの条件を優先するか考えていくとよいでしょう。

①スーパーやコンビニまでの距離

生活するうえで、食品や日用品などの買い物は必要です。スーパーについて、会社帰りに買って帰る場合は、駅から家までの動線にあった方がいいですし、車で週に一度まとめて買う場合であれば、駅からの動線になくてもある程度近い距離に駐車場付きの大型スーパーがあった方がいいです。コンビニは、家の近所にあった方が便利ですが、立ち寄りしやすい立地だと、ついつい買ってしまい、不要な支出が増える場合があります。

②騒音

内見は、時間帯によって環境が変化しないか確認しておくことが重要です。特に公園や学校、保育園等が近くにある場合、時間帯によって大きな元気な声が聞こえることがあります。また、上の階の足音含む生活音についても、長く住むことを想定した場合はチェックしておきましょう。音に対する許容範囲は人それぞれなので、時間帯を変えて内見するといいかもしれません。

③自然災害に対するそなえ

川や海、山が近い場合、自然災害の影響を受ける可能性があります。川は氾濫する危険性があり、海は津波や潮風による塩害もあります。山は土砂崩れの危険性があります。いずれも必ず起こることではありませんが、自然災害について留意しつつハザードマップなどを参考にし物件を探していきましょう。
ハザードマップはこちらから確認できます。

④マンションの管理組合とゴミの管理

マンションの場合、管理会社とは別に住人で管理組合を作っているケースがほとんどです。共用部分のルール作りをしたり、多くの人が住んでいるマンションだからこそ、みんなが気持ちよく暮らせるために全体を統括する役割が必要になります。その役割が輪番制であることが多いですが、回ってきた時に、断れる可能性があるのか否かは、確認しておくとよいでしょう。また、マンションのゴミ置き場は、24時間いつでも出せる場合が多いですが、分別が厳しいエリアだと、回収日の前日夜からしか出せないなど、独自のルールのマンションもあります。回収日まで家に保管することが可能なのか?その辺りもご自身の生活に照らし合わせて検討しましょう。

まとめ

以上が、マンション購入前に確認しておく事項です。予算や物件の立地、住環境などあらかじめ調べておくべき事項は多岐にわたります。どこが自分にとって譲れないポイントなのか明確にして、後悔のない物件探しをしてみてください。

記事の監修

中山梨沙

2級ファイナンシャル・プランニング技能士
大学卒業後、メガバンクにて12年間勤務。主に預金や投資信託、住宅ローン、相続遺言等リテール営業に従事。金融教育に携わるべく、企業型DCの加入者向け教育業務も経験。
その後、外資系保険会社に移籍し、リスクマネジメントなどのより幅広い実務経験を積む中で、一つの金融機関に属さない職業としてのFPになる決意を固め、現職に転身。
「お金に関して、巷に溢れる情報やセールスに惑わされず、必要なものを自身で取捨選択できる人を増やしたい」。そんな信念で日々活動中。

メッセージ
「人生は選択の連続。時を戻して選ばなかった道をやり直せるわけではないので、自分の選んだ道はいつでも正解。それに対する 納得感は考えた時間に比例する。」これが私のモットーです。 何かを選択する時、土台となるお金について私と一緒に考えてみませんか?ワクワクや安心がいっぱい!そんな人生設計をお手伝いします。

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この記事を書いた人

◾️不動産歴
約19年
◾️保有資格
宅地建物取引士、不動産コンサルティングマスター、不動産証券化マスター、FP2級
◾️得意な不動産ジャンル
不動産投資、不動産売買、不動産開発
◾️自己紹介
大学卒業後、2004年に大手総合不動産会社入社。以降、一貫して不動産開発や不動産投資など、不動産マーケットの最前線で業務に取り組んでいます。

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