買った家に一生は住めない?戸建ての寿命とマンションの寿命を比較!

家の購入を検討する際に、戸建てとマンションのどちらがいいのか迷う人は多いでしょう。戸建てとマンションを比較するポイントのひとつに、建物の寿命があります。建物の寿命の考え方をしっかりと把握できれば、購入する家を選ぶ判断材料になるでしょう。
そこで、この記事では、戸建てとマンションの耐用年数と実際に住める年数の違いと、建物の寿命の考え方を解説します。家の寿命をライフプランに当てはめれば、一生住むか買い替えるかなど将来に向けて計画的に家を購入できるでしょう。

目次

戸建てとマンションの耐用年数

戸建てとマンションの寿命を比較するには、建物の寿命を判断する基準を理解する必要があります。
建物の寿命の判断には、耐用年数をもとにして検討する方法があります。家の購入だけでなく、売却する際にも耐用年数を参考にするケースは多いです。
そこでこの章では、耐用年数の考え方と、実際に住める年数との違いを解説します。

耐用年数とは?

建物の寿命を判断する基準のひとつに耐用年数があります。耐用年数とは、正式には法廷耐用年数といい、建物があと何年利用できるかを表した年数のことです。
つまり、新築されたときから徐々に資産価値が減っていき、資産価値がゼロになる年数が法定耐用年数です。耐用年数は、税金を算出する際の減価償却の計算などに使用されます。
耐用年数は、建物の構造により年数が異なるのが特徴です。例えば、木造ならば22年、鉄骨造ならば33年、鉄筋コンクリート造ならば47年と決められています。戸建ては木造が多いため耐用年数は22年、マンションは鉄筋コンクリート造が多いため耐用年数は47年です。

実際に住める年数との違い

耐用年数はあくまで減価償却の計算に使用する指数であり、実際に住める年数とは異なります。耐用年数が建物の寿命だと思われがちですが、実際の寿命は耐用年数より長くなる傾向があります。
例えば、木造住宅の耐用年数は22年ですが、一般的な木造住宅は築年数が22年を過ぎても住める家が多いです。特に、しっかりとメンテナンスがされた住宅は建物の傷みが少なく、
耐用年数を超えても快適に住めます。つまり、耐用年数を超える年数まで建物を長持ちさせることは可能です。戸建てやマンションの寿命を比較する際も、耐用年数にこだわり過ぎず、きちんと手入れがされているかを判断することが重要です。

ライフプランと建物の寿命

戸建てやマンションに一生住めるかを判断するために、建物の寿命をご自身のライフプランに当てはめてみましょう。
仮に木造住宅の寿命を30年とすると、30歳で購入した場合は60歳で住宅の寿命がきます。そのため、60歳で買い替えまたは建て替えが必要になり、次の住宅の寿命がくるのは90歳です。
マンションの寿命を50年とすると、30歳で購入した場合80歳で建物の寿命がきます。マンションの場合は住民の5分の4の賛成がなければ建て替えはできないため、寿命がきても建て替えないケースが多いです。仮に建て替えしないとすると、80歳で建物の寿命が来る前に、買い替えを検討する必要があります。マンションの場合は、建物が古くても室内がきれいであれば住みたいという需要が多いため、賃貸に出す選択肢もあります。

戸建てもマンションも、建物の寿命とライフプランを当てはめてみると、買った不動産に一生住むのは現実的ではないことがわかるでしょう。
ただし、前述のとおり、メンテナンス次第で家を長持ちさせることが可能です。きちんと手入れすることにより、想定より長い間快適に住むことができます。場合によっては、買った家に一生住めると期待できるでしょう。

マンションと戸建て一生住めるのは?

ここまで、戸建てとマンションのどちらが一生住めるのかを比較するには、耐用年数だけでなく、実際に住める年数を検討する必要があることを解説しました。
実際に住める年数は、建物がしっかりとメンテナンスされているかが重要なポイントです。
この章では、戸建てとマンションがメンテナンス次第でどれくらいの期間住めるのかを解説します。

戸建ての場合

戸建ての場合はご自身で定期的にメンテナンスをする必要があります。外壁や屋根は建物の耐用年数より短いスパンで手入れをしなければなりません。水回りの設備も、一定期間が過ぎたら交換が必要になるでしょう。しっかりと手入れすれば、耐用年数を超えても一定期間長持ちさせることは可能ですが、ライフプランに当てはめてみると一生住み続けられる期間まで長持ちさせることは難しいでしょう。
ただし、一定期間後に建て替えたりフルリフォームしたりすることにより、同じ場所に一生住み続けることが可能です。慣れ親しんだ土地を離れずに済めば、老後も安心して生活できるでしょう。
また、戸建てのメンテナンスには費用がかかります。将来買い替えや建て替えをする可能性が高い場合は、メンテナンスだけではなく買い替えや住み替えにかかる費用を含めた資金計画が大切です。

マンションの場合

マンションの場合は、戸建てと違い、ご自身でメンテナンスできるのは専有部分のみです。室内のリフォームや水回りなどの設備の交換は、定期的に行うことで快適に住み続けられます。しかし、建物全体の寿命を個人で延ばすことは困難です。
一方、共用部分のメンテナンスは管理会社や管理組合が計画します。そのため、建物の劣化を防ぎ寿命を延ばすには、管理会社の役割が重要です。管理組合から管理会社へ管理が全部委託されている場合は、通常は長期的な修繕計画を立てているため、一定のメンテナンスは計画的に行われます。そのため、耐用年数を超える寿命を期待できるでしょう。
ただし、メンテナンスの費用は管理費とは別に入居者から積み立てて運用するため、寿命を延ばすための費用負担があります。

まとめ

戸建てとマンションの寿命は耐用年数を活用して想定できます。しかし、実際に住める年数は耐用年数より長いのが一般的であるため、寿命を考える際には耐用年数にこだわり過ぎず、快適に住める年数で考える必要があります。
耐用年数を超えても快適に住むためには、建物のメンテナンスがしっかりされていることがポイントです。戸建てとマンションではメンテナンスの方法や行う場所が異なりますが、それぞれの方法で寿命を延ばせる可能性があります。
建物の寿命をライフプランに当てはめてみると、戸建てもマンションも一生住むのは現実的ではありません。しかし、きちんとメンテナンスを行えば、慣れ親しんだ場所で一生を過ごすことができるでしょう。

記事の監修

岩倉 由記子
2級ファイナンシャル・プランニング技能士、証券外務員Ⅰ種、住宅ローンアドバイザー、福祉住環境コーディネーター2級
電鉄系企業にて、ファイナンシャルプランナーの知識と経験を活かし、住宅購入者向けにライフプランニング作成や セミナー講師として活動。

メッセージ
住宅購入についても過去の職歴で経験した事を活かして住宅資金だけでなく 全体の資金についても一緒に考えていきたいと思っております。また、老後資金についても今から無理なく時間を使い 上手に資産形成を作り上げていければと思っております。人それぞれ大事に思っていることやお考え方が異なると思いますので、少しでもその想いに寄り添えるような相談相手を 目指しております。

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この記事を書いた人

■ペンネーム
うのみ
■不動産歴
13年
■得意な不動産ジャンル
売買仲介、買取
■保有資格
宅地建物取引士、FP2級、賃貸不動産経営管理士
■自己紹介
Webライター、宅地建物取引士、2級FP技能士。
子育てのブランクを挟み通算13年間不動産会社に勤務。不動産営業のキャリアと5回の転職経験を生かし、不動産と転職を中心に、金融、子育て、シニアなど幅広い分野で執筆しています。

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