一般の方にとって土地を購入する機会は一生に何度もあるものではなく、買ってはいけない土地の特徴を十分理解していない状態で土地を購入するケースが多いことと思います。そして実際、土地の購入に失敗した方も多くいることと思います。
土地の購入で絶対失敗しない為に知っておきたいことを土地の専門家が解説します。
買って損する土地の特徴
境界が不明な土地
販売されている物件の中には、隣地との境界が確定していない境界が不明な土地もあります。 境界が確定していないということは現在隣地と揉めている可能性があったり、購入後にトラブルに巻き込まれる可能性があります 。また、境界を確定するための測量に多くの費用がかかる可能性もあるため、隣地との境界が確定していない土地を買うのは避けましょう。
地盤が弱い土地
面積の大きな土地なら大丈夫ですが、狭小地の土地の場合、三角形の土地と正方形の土地では建築できる建物が全くと言って良いほど違いますし、建築できる面積として使用できる範囲もかわります。そのため、購入後に考えていた間取りにできないなどの問題が発生するケースが多くあります。また、不整形地で土地が安いからと言っても、建築コストや将来的な修繕コストを考えた場合、高い買い物になってしまう可能性があります。資産価値としてみた場合も、整形地と比べると評価額が低くなる傾向にあるため形状が悪い不整形地を買うのは避けましょう。
周辺より低い土地
周囲より低い土地も買ってはいけない土地の一つです。 周囲より低い土地は雨水が溜まりやすい、日当たりが不十分など、日常的に湿気がある状態が予想されます。 カビ が生えやすい環境になったり、下水道のような悪臭がしたり、生活環境もよくありません。また、盛土をして土地の高さを上げるという方法もありますが、この場合は造成費用が多くかかってしまう恐れがあります。これらの理由から、周辺より低い土地を買うことは避けましょう。
土地を購入する際の注意点とは
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この土地は絶対に買っちゃダメ!
買って損する土地の特徴をプロが解説
(再)建築不可の土地
最初にご紹介するのは、(再)建築不可の土地です。上述した都市計画区域に関する制限の中でも、特にインパクトが大きいのがこれからご紹介する「接道義務」です。
建築基準法第43条には、都市計画区域及び準都市計画区域内で建物を建てる際、「幅員が4メートル以上の建築基準法上の道路に、間口が2メートル以上接していなくてはいけない」と定められています。
どんなに広い土地で、そこに建物を建てようと思って土地を買っても、
・全く道路に面していない土地
・道路に面していても「建築基準法の道路」ではない土地
・間口が2メートル以下の土地
には原則として建築することはできません。
「原則として」と記載したのは、接道義務を満たしていない場合であっても、「但し書き道路の許可」を得れば再建築が可能になる場合があるからです。ただ、許可申請には時間も手間もかかりますし、そもそも許可が降りることが確約されているわけではありません。そのため「広い土地がある=その分だけ良い物件」ではないことは意識しておく必要があります。土地面積は広くても、制限によって自分の思ったような物件を立てることができないという可能性は十分にあるからです。
そのため周辺の土地値と比較して明らかに割安な物件があった場合であっても、「接道義務を満たしているかどうか」を確認することをお勧めします。もし満たしていなかった場合、申請の手間や建築ができないリスクと天秤にかけた上で購入の是非を検討する必要があります。
市街化調整区域内の土地
次にご紹介するのは市街化調整区域内の土地です。
上述した「都市計画区域」ですが、その中であればどこでも都市化を進めていいわけではありません。
都市計画区域内でも、積極的に都市化を進めていく「市街化区域」と、自然環境や田園風景を守るための「市街化調整地域」に分けられています。
都市計画区域内にあるとはいえ、市街化調整区域にある土地を買ってしまうと、むしろ新しい家が建てにくい場合が多いのです。市街化調整区域はそもそも市街化を避けることを目的としたエリアであるため、インフラや交通網の整備が周辺よりも遅れている場合が多いです。
何よりも銀行のローンが通りにくいので相当の手元資金が必要となってくる場合が多く、それは逆説的に、「自分が売却するときの買い手も、相当のキャッシュを持っている人しか期待できない」ということになります。例えば駅近の物件であったり、利便性に優れた土地であったり、買い手がすぐ見つかるであろう場合を除いて、市街化調整地域の土地は避けた方が無難です。
このような話をすると、「市街化調整区域の物件なんて検討しないから大丈夫」という声も聞こえてきます。ただ調整区域は決して地方に多い話ではなく、関東圏の県庁所在地においてもかなりの割合で存在しています。例えば千葉県千葉市は都市計画区域面積が27,176haに対して市街化調整区14,294ha(52.6%)、埼玉県さいたま市は都市計画区域面積が21,749haに対して市街化調整区域が10,051ha(46.2%)と、全体の半分前後の面積が市街化調整地域に設定されています。
そのため特に意識せず検討していた一都三県の土地案件についても、市街化調整区域に該当する土地である可能性は十分にあるのです。
もちろん市街化調整地域の土地はすべて建築NGという訳ではなく、開発許可を得たり、すでに宅地利用が認められている土地において建て替えを行ったりする場合は特に懸念無く建築ができるケースもあります。ただ、市街化調整区域内であること時点で、建築に大きな制限がかかってしまうことは意識しておく必要があります。
抵当権を抹消できていない土地
3つ目の買ってはいけない土地は、「抵当権を抹消できていない土地」です。
そもそも抵当権とは、端的に言うと「お金を借りたとき、その担保として設定される権利」のことを指します。つまり「お金が返ってこなかった時は、この土地を担保にかけて」(=競売にかけて)回収する」という権利です。
通常の不動産売買においては、「売主側に定められた抵当権は買主に引き継がれない」と言う前提で進むことがほとんどです。
つまりほとんどの場合、新しい買主が物件を購入する際には売主の抵当権は抹消されて物件の引き渡しが行われます。
ただ稀に、物件の引き渡しが行われた後も売主側の抵当権が残っている場合があるので注意です。
例えば、「急に多額の現金が必要になったため、まずは売却資金を抵当権の抹消ではなく別の用途に使いたい」場合などです。
当然、抵当権というリスクを残したままの売買になるため、相場よりもかなり安い値段で入手することができる可能性はありますが、その分他人の借金を背負ってしまうという大きなリスクを孕んでいることになります。
仮に所有権の移転登記は売主から買主に正常に移っていたとしても、有事の際には抵当権による債権の回収が優先されます。つまり売主の返済が滞って抵当権が行使され、不動産が競売にかけられてしまう可能性も残っているのです。
普通の不動産業者を介しての物件購入であれば、抵当権周りのトラブルは限りなく少ないと思います。ただ個人間の売買では抵当権が残ったままで、買主不利な状態で物件を購入してしまうリスクもあります。抵当権は「不動産登記情報」を見れば分かりますので、購入を検討している物件に抵当権は付いているのか、付いている場合は確実に抹消できるのか、確認した上で購入に進むことが大切です。
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借地権付きの土地
借地権とは、「建物の所有を目的」として他人が所有する土地を地主(土地所有者)から借りる権利のことをいい、地上権と賃借権で構成されています。
一般的に、「借地権」と言えば「賃借権」のことをいい、「借地権付建物」という場合は「借地権」がついている建物のことを表します。
賃借権とは、賃貸借契約に基づき、他人の所有している土地を借りて、毎月「地代」という賃料を支払い使用する権利のことをいいます。
賃借権は「債権」に分類されるため「物権」よりも法的拘束力が弱く、契約における当事者間でのみ権利の主張が可能です。また、登記を行わなければ第三者に対抗することができません。旧借地権は土地を借りている賃借人の権利が強く、地主から契約の更新を拒絶するには、正当事由が必要となります。借地権は下記の3つに分類されます。
旧借地権
旧賃借権とは、借地法が改正された1992年8月以前に土地を借りた場合に適用される借地権のことをいいます。
借地権の存続期間は建物の種類により異なります。存続期間は期間の定めがある場合、契約時で木造などの非堅固建物が20年以上、鉄筋コンクリートなどの堅固建物が30年以上、期間の定めのない場合は、契約時で非堅固建物が20年、堅固建物が30年となり、それぞれ更新をすることが可能です。
普通借地権
普通借地権の存続期間は建物の構造に関係なく30年となり、1回目の更新は20年で更新、2回目以降の更新では10年で更新することが可能です。
普通借地権は契約期間が満了しても更新できることが原則となっており、正当事由がない限り地主は更新を拒絶することができません。
定期借地権
定期借地権は契約期間が終了すると更新されずに契約が終了するタイプの借地権です。50年以上となっている契約期間の終了時には、借主は基本的に建物を収去して地主へ土地を返却しなければなりません。
定期借地権には、
・一般定期借地権
・建物譲渡特約付定期借地権
・事業用定期借地権
などがあります。
一般定期借地権の場合には、存続期間は最低50年となっています。
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買って得する災害に強い土地とは?
自然災害の中でも地震に強い土地を見つけるためには、まずそこが“良い地盤”なのかを見極めなければなりません。
良い地盤とは「硬質地盤」と呼ばれており、岩盤や砂礫が多く含まれているので硬く、引き締まっているのが特徴です。
新しく家を建てるために土地を探すとなると、どのような災害が起こったのかを調べておくのが重要になります。
その際、活用するのはハザードマップです。ハザードマップとは、「自然災害による被害の軽減や防災対策に使用する目的で、被災想定区域や避難場所・避難経路などの防災関係施設の位置などを表示した地図」のことで、現在では、インターネットでも検索できるようになりました。
また、もともと川や海、田んぼで後に埋め立てしたような土地も調べるべきです。これらの土地は、水分を多く含んでいる可能性が高く、液状化も起きやすいため、地盤チェックをしっかり行う必要があります。
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まとめ
いい場所にいい土地があっても、災害に強かったり、問題がない土地とは言えません。土地を買う前に確認する項目が分かっていれば土地の購入で失敗を防ぐことができます。
土地の購入時は上記の項目を是非参考にしてみてください。
イエジャーナルでは不動産の売却や購入のご相談を承ります。