ローン審査に落ちる人、通る人、ローンの審査はどこを見るのか?

こんにちは、せんせーです! 本日は「住宅ローンの審査ポイント」を3つご紹介します。家を購入する上で避けては通れないのが住宅ローンの審査です。気に入った物件を見つけることができても、ローン審査に落ちてなかなか決済できないというのは決して珍しいことではありません。時間がかかっても購入できればまだ良いですが、契約の条件によっては一定期間でローンの審査が通らないと契約解除となってしまうケースもあり、時間だけ浪費して結局家が買えないというケースもあり得ます。
今回はそんな住宅ローンの審査において、金融機関はどんなところを見ているのか、ローンを通しやすくするためにはどんな点に気をつけるべきなのかを解説します。

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目次

住宅ローンの審査ポイント①

「安定した返済が見込めるかどうか」
住宅ローンの審査ポイント1点目は、安定した返済が見込めるかどうか、十分な返済能力があるかどうかです。分かりやすい例だと「年収と物件価格の倍率」が挙げられます。1つ参考になる資料を確認してみましょう。2023年8月に住宅金融支援機構から発表された「2022年度フラット35利用者調査」によると、世帯年収の何倍の物件が購入されたかを示す「年収倍率」は、新築物件で7倍程度、中古物件で6倍程度となっています。
もちろん、物件全てを融資で引く人も自己資金を何割か入れる方もいますから、一概に「年収の何倍を借りている」とは言い切れませんが、少なくとも「世帯年収の6-7倍の物件を購入している人が多い」というのは1つの目安になると考えられます。
ちなみに細かな条件については、それぞれの金融機関が設定する「審査金利」や、収入に対しての「返済負担率」を考慮した上で決定されます。金融機関ごとに審査基準は差がありますので、1つの金融機関で断られたとしても、別の金融機関に打診してみることもおすすめです。
また、現在の年収はもちろん重要ポイントの1つですが、住宅ローンは長期にわたって返済を続ける必要のある債務です。そのため、「長期にわたって返済を続ける能力があるか」も重視されるポイントです。具体的に言うと、借り入れ時点での年齢や、会社員の場合は現在勤めている会社の定年、勤続年数、勤務先そのものの健全性などもチェックしている金融機関が多いです。最近は変わりつつありますが、住宅ローンの借り入れには同じ企業に3年以上勤めていることを条件にしている金融機関もありました。また、例えばインセンティブで収入が大きく上下する業界、例えば不動産業界や生命保険業界の営業マンよりも、安定した収入が見込める年功序列の企業や公務員が優遇される場合もあり得ます。いずれにせよ、「自分の返済能力をいかに銀行員にアピールできるか」という点が住宅ローンを借り入れる上での1つのポイントであると言えるでしょう。

住宅ローンの審査ポイント②

「ローン借り入れ時に明らかな債務超過になっていないか」
続いてのポイントは、ローン借り入れ時に明らかな債務超過になっていないか、借り入れを希望する人の債務が多すぎないかという点です。この点を説明するにあたっては、不動産の価値を計る指標が複数あるということが非常に重要になってきます。
不動産には、私たちが不動産取引の際に目にする「販売価格」の他にも、いくつかの金額の計算方法が存在しています。なぜなら2つとして同じ物件がない不動産の世界で、販売価格だけを根拠にしてしまうと、「売主が強気の売却を狙っており、物件の本来の価値以上に高く値付けた物件」であったり、「とりあえず早く売りたい格安の物件」であったり、本来の不動産の価値が測れないようなケースが多いからです。
そのため物件に融資する金融機関は、建物の耐用年数や、物件が面している道路の路線価を基準として、土地の形上などから求める「積算評価」、物件をもし賃貸に出すと考えた際にどのような資産価値があるかと言う「収益還元評価」など、それぞれの銀行や住宅ローンの保証会社によって独自の物件評価を行っており、その評価も住宅ローンの融資額に大きな影響を与えます。
その評価額は言い換えると、「物件の担保価値」として金融機関が設定する金額です。大抵の場合、この担保価値は物件の販売価格に対して7-8割程度の場合が多いです。お金を貸す側の銀行としては、なるべくコンサバな評価をすることはある意味当然と言えるかもしれません。
ただ、物件の評価がそのまま融資額に直結するとは言い切れません。例えば手元資金が潤沢である場合など、「物件の評価はここまでだけど、この人にならここまで貸しても大丈夫だろう」と言う判断も当然存在するからです。そのため手元資金を貯めておくことはもちろんですが、金額の大きなローン、例えば車のローンなどは最低限にしておくことも、住宅ローンの審査を通しやすくするためのポイントです。金融機関次第ですが、例えばカーローンについては、「借り入れている債務は審査に計上するが、購入した車は資産としては見ることができない」というパターンも存在します。つまり、資産になると思って買った車が、住宅購入の際の足枷になる場合もあるのです。もし自分の借り入れ能力に心配がある方は、「自分の資産と負債」を簡単にまとめてみると良いでしょう。もちろん、カーローンの返済も前述した「返済負担率」に影響いたします。

住宅ローンの審査ポイント③

「個人の信用情報に問題は無いか」
住宅ローンの審査ポイント3点目は、個人の信用情報に問題はないかという点です。例え安定した収入があり、かつ資産を持っている方であっても、「信用情報に傷がついている」場合は住宅ローンの審査がかなり厳しくなります。
そもそも「信用情報に傷がつく」とは、簡単に言うと「過去に信用取引において何らかのトラブル(例:ローンの大幅な延滞)や自己破産などを経験しており、金融業界から要注意人物だと認識されていること」を指します。カーローンといった大きな金額の借り入れはもちろんですし、クレジットカードの支払いなど日常生活の中においても信用情報に傷がついてしまう可能性はあります。
このようにお伝えすると、「自分は延滞なんてした記憶がないから大丈夫」と思われるかもしれません。ただ、携帯電話やスマートフォンの本体代金など高額な買い物を分割払いで行った場合や、奨学金返済の場面でも信用情報に関わってきますので、意外と身近なこととも言えます。例えば「奨学金の返済を一時的に止めたかったのに、猶予申請がきちんとできていなかった」場合など、自分だけでは気づかない形で信用情報が傷ついてしまっている場合もあるのです。
もっとも信用情報の記録は一度滞納してしまうと永久に残るわけではなく、内容によって1-10年の期間を経て消滅します。消滅した後は住宅ローンの審査には影響がありませんので、例え過去に滞納などの実績がある場合でも、特に問題なく審査を進められる可能性はあります。自分の信用情報については、株式会社シー・アイ・シー(CIC)、日本信用情報機構(JICC)、全国銀行個人信用情報センター(KSC)の3機関で取り扱われており、開示請求を行えば確認することができます。それぞれで取り扱っている情報の種類が異なります。開示手数料がかかることや、申請の手間はありますが、もし不安な方は確認してみると良いでしょう。

まとめ

以上、「住宅ローンの審査ポイント」でした。いい物件と巡り合うのと同じがそれ以上に、良い条件で融資を受けることは、家を購入する上での重要な論点となります。また、今回は3つのポイントをピックアップしてお伝えしましたが、結局は金融機関の担当の方に、「この人にこの条件で融資をしても、きちんと返済してくれるから安心だ」と思ってもらえるかどうかが非常に重要になってきます。自分自身の属性を上げることと同時に、伝え方の部分にも意識を向け、理想の家購入を目指していきましょう。

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記事の監修

加藤 勇
2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP、証券外務員Ⅰ種、住宅ローンアドバイザー
愛知県内の信用金庫に20年以上勤務し、多数の店舗で個人・法人の資金計画等のコンサルティング業務に従事。個人の資産運用・保険・住宅ローン、法人の融資や事業計画策定といった幅広い実務経験を活かし、顧客に寄り添う丁寧なコンサルティング業務が顧客から支持されている。

メッセージ
日々進化、変化する社会の中で、自分自身も向上心を持ち、自己研鑽に励んでおります。 お客様と二人三脚で、よい人生を歩めるようにお手伝いして参ります。 どうぞよろしくお願い致します。

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この記事を書いた人

■ペンネーム
せんせー
■不動産歴
4年半
■得意な不動産ジャンル
一棟マンション、郊外エリア
■保有資格
宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、FP2級
■自己紹介
一都三県を商圏に、一棟収益マンションの売買から管理までワンストップで提供する不動産ベンチャーに、大学時インターンを含めて4年半在籍していました。その間、投資家層に対する売買営業やPMBM管理の窓口、不動産市況についてのメルマガの執筆など幅広い業務を手掛けました。2022年末に不動産業界は離れたものの、障害者支援の現場で不動産やお金についての講座を実施するなど、日々勉強と情報発信を重ねています。

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