住宅の購入の際には、高額な費用がかかりますよね。ほとんどの人が長期間のローンを組んで返済をしていきます。「頭金はいくらだろう?」「月々の返済は無理なくできるだろうか?」いろいろな不安が出てきます。そのためになかなか購入決定に踏み切れない方も多いのではないでしょうか?不安が出た際にぜひ利用していただきたいのが、国の補助金や減税制度です。負担を少しでも減らし、少しでも安く住宅を購入することができるお得な方法もありますのでマイホーム購入の決断の為にも参考にしてみてください。
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2023年度補助金・給付金制度
主な補助金事業はいくつかあります。以下にそれぞれの制度について解説していきます。尚、国の制度のため併用はできませんので、どの補助金制度に申請するのか、条件や補助金額等を調べてご自身が最も支援が受けられる制度の活用を選びましょう。
地域型住宅グリーン化事業
住宅取得の補助を目的とする政府の支援事業です。マイホーム購入を検討するときや、省エネ住宅へリフォームを検討している方にお勧めの制度です。地域活性化の目的も兼ねていますので、同一地域の木材関連事業者や建材流通事業者によって作られ国に採択された、施工業者グループが手掛けることも条件になっています。補助額は、上限140万円/戸です。(リフォーム工事に関しては、上限30万円/戸)*2023年度の受付は終了しました。
こどもエコすまい支援事業
エネルギー価格高騰の影響を受けやすい、子育て世帯・若者夫婦世帯による高い省エネ性能(ZEHレベル)を有する新築住宅の取得や、住宅の省エネ改修等を支援する事業です。補助額は、100万円/戸です。こどもエコ住まい支援事業に登録している事業者によって手掛けられた新築の戸建住宅やリフォーム工事が対象です。*2023年度の受付は終了しました。
どちらも利用できれば大幅な経済的負担の軽減です。
申請方法は、先着順で予算の上限もありますので、早めの申請が良いでしょう。申請の条件は新たに購入した住宅で居住を始めてからです。建築を依頼する施工業者がこの事業に参加しているかどうかも重要です。申請代行も可能ですので、施工業者が申請してくれれば手間も省けます。
ZEH支援事業
「省エネ」・「高断熱高気密」・「太陽光発電システム」等高機能なZEH(ゼロエネルギー住宅)の要件を満たした住宅をZEHビルダーや工務店・ハウスメーカーで新築した際に利用できる補助金制度です。補助金額は、ZEH住宅で55万円/戸、ZEH+住宅で100万円/戸です。
LCCM住宅整備推進事業
ZEH住宅より更に省CO2を目指し、建築時も含め脱炭素化を進めた住宅の戸建新築が対象で、できるだけCO2が削減される住宅を建てる際に支援する制度です。補助金額は、上限140万円/戸(補助率は1/2)の対象です。*2023年度の受付は終了しました。
国の補助金以外にも、皆さんが住んでいる自治体からの補助金が支給される場合もあります。国の補助金と併用できる場合もあるので、住んでいる自治体の支援制度を確認しましょう。
2023年度減税制度
補助金制度と共に住宅購入時に利用できるお得な方法として、減税制度の活用があります。
住宅ローン減税(住宅ローン控除)
毎年の年末の住宅ローン残高の0.7%が、新築住宅・中古買取再販住宅は原則13年間、中古住宅は最大10年間に渡って支払った所得税から控除されて還元される制度になります。長期優良住宅や低炭素住宅、省エネ住宅で最大210万円の減税措置があります。初年度のみ、年末調整を受けている給料所得者の方も確定申告が必要になります。
住宅取得等資金贈与
住宅取得を目的とした資金を父母や祖父母から贈与された場合に一定金額までの贈与について贈与税が非課税になる制度です。非課税措置を受ける場合には要件がいくつかありますので注意が必要です。
固定資産税の減税
一定の条件を満たした新築住宅において、一定期間、建物の固定資産税額が2分の1に減額される減税措置です。新築住宅の減税期間は3年間、そのうち3階建て以上の耐火・準耐火建築の場合は5年間に渡り減税措置を受けられる制度です。さらに新築優良認定住宅の場合は5年間、そのうち3階建て以上の耐火・準耐火建築の場合は7年間に渡って受けられます。(令和6年3月31日まで延長)
不動産取得税の減税
不動産を取得する際に納める税金です。通常は住宅の場合、固定資産税評価額の4%の税率が適用されますが、令和6年3月31日までは軽減税率である3%の適用となります。
登録免許税の減税
不動産を取得し、登記をする際に納める税金です。新築住宅を登記する際にかかる所有権保存登記は、通常固定資産税評価額の0.4%のところ、0.15%に軽減されます。住宅ローンを申し込む際にかかる抵当権設定登記は、通常固定資産税評価額の0.4%のところ、0.1%に軽減されます。(令和6年3月31日まで)
まとめ
補助金に関しましては、既に2023年度分はほとんどが、期限内でも予算の上限に達して終了したものや受付が終了していますが、令和5年11月10日の令和5年度補正予算閣議決定にて補助金の各事業の後継事業案が盛り込まれました。「住宅省エネ2024年キャンペーン」として実施予定となっています。「こどもエコ住まい支援事業」の後継事業として、「質の高い住宅ストック形成にかんする省エネ住宅への支援」の実施、地域型住宅グリーン化事業も引き続き実施するとしています。その他終了した事業の後継もいくつかあり、既存賃貸集合住宅の省エネ化支援事業等も新規で実施予定です。(2024年3月以降の受付開始を予定)
住宅を購入する際には多額の資金が必要となる為、少しでも負担を軽減するために利用できる補助金制度を検討することをお勧めします。
また、国が実施する補助金制度以外にも、住んでいる地域の自治体から支給される補助金や助成金などもありますので、地域の支援制度を調べてうまく組み合わせることによってお得に住宅を購入しましょう。
しかし、条件や期限等によって、すべての優遇制度を受けられるわけではありません。そして、補助金や減税制度は、年毎に対象となる条件や金額が変動することもありますので、必ずその年ごとに内容や条件を確認するようにしましょう。
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1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFPⓇ認定者、証券外務員Ⅰ種
保険・金融のエキスパートとしての30年の業界経験から、相続や税務など保険以外の相談が増加。多様化する顧客の相談内容に対応するため、FP Office にファイナンシャルプランナーとして参画。複雑な事柄をわかりやすく伝える技術に定評がある。
メッセージ
時には背中を押したり、一歩引いたりしながら目指す道 を見つけて進んでいけるよう最善策を考えます。相談して解決したら終わり、ではなくその後のライフステージの変化なども共有 しながら一生のお付き合いがしたいと思っています。