世帯年収1000万で首都圏で戸建てを買うためのライフプランとは?

世帯年収1,000万円の人は首都圏で戸建てを買うことができるでしょうか?

日本の世帯所得平均は545.7万円、世帯年収が1,000万円の家庭は平均以上の収入があります。では、この世帯が首都圏で戸建てに住みたいと考えた時にどのような選択肢があるのでしょうか。
どのくらい住宅費に回せるのか、ローンはどのくらい借りられるのかなどマイホーム購入に必要な項目をチェックしながら、購入可能な戸建てを検討してみましょう。
参考:厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査」

目次

世帯年収一千万円でいくら使える?

まず世帯年収が1,000万円の家庭が、戸建て購入するときにどれくらいの金額であれば無理なく支払えるのか考えてみましょう。

世帯年収1,000万円から所得税や住民税などの税金や各種保険料などを支払った残りが手取り金額、つまり可処分所得になります。
(所得税率早見表)

所得金額税率控除額
195万円以下5%0円
195万円超 330万円以下10%97,500円
330万円超 695万円以下20%427,500円
695万円超 900万円以下23%636,000円
900万円超 1,800万円以下33%1,536,000円
1,800万円超 4,000万円以下40%2,796,000円
4,000万円超45%4,796,000円

年収1,000万円近辺の世帯では、約750万円が可処分所得になります。1か月あたり62.5万円です。

総務省統計局によると年収1,000~1,250万円の勤労世帯における生活費の平均は約32万円でした(住居費含まず)。世帯年収1,000万円の家庭では、毎月の収入62.5万円から生活費32万円を引いた30.5万円から住宅費をいくら支払うかを検討することになります。
参考:総務省統計局 2023年7月 年間収入階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出

ここでライフプランニングを考える必要があります。
現在お子様がいる家庭や今後家族が増える予定であれば、学費やその分の確保や考慮が必要となります。また、将来の大きな支出(例:車購入、買替、家電、旅行など)も考えておきましょう。
そして常に現在と同じ状況で仕事を続けられるとは限りません。病気やケガ、事故など不測の事態を想定し、理想は半年~1年程度暮らしていける貯蓄、または保険を備えておきたいところです。
これらを考慮して毎月の住宅費用を考えます。年収1,000万円世帯の住居費は手取り収入の25%以下、15~16万円以下が望ましいといわれています。

(参考:5500万円を金利1%の35年ローンで借りた場合、月の返済額は15.5万円。(元利均等返済))

住宅ローンはいくら借入れ可能?

住宅ローンの借入額の目安の最大値は、年収の7~8倍といわれています。
しかしながら、金融機関の診査により最大値まで住宅ローンを借りられる方は稀で、そこには勤務先がどこか、金融資産はどれくらいか、カード支払いや負債は無いか等総合的に判断されます。綺麗な条件が揃って初めて最大値の借り入れが可能となります。
ここでは一般的な住宅ローン借入額の目安は年収の5~6倍でみていきますと、年収1000万の方が一般的に購入時に使える資金は、5000~6000万に自己資金を足した金額となります。自己資金は準備したほうがいいのか?と聞かれることが多いですが、自己資金は物件価格の2割程度用意することが望ましいです。これは住宅購入時に住宅価格の他ローン手数料や登録免許税などの費用の為です。これらはローンに組み込める場合もありますが基本的には自己資金で支払うことになりますので、注意しましょう。

また、返済までの期間も重要な要素です。定年退職までの期間と退職金の予定などを考慮し、何年ローンにするのか決めます。退職までの期間の長短で、借りられる、借りられないということではなく、ここでも財産状況やお勤め先、属性等によりローン等の条件の交渉が行われます。以前ですと定年退職までに完済を希望される方が殆どでしたが、住宅ローンに伴う団体信用生命保険等のメリットを享受するなど、現在のローンの返済に対する考え方は変化してきているように感じます。ご自身のライフプランに合わせて住宅ローンを検討していきましょう。

首都圏、都内戸建相場と購入可能な物件

それでは、首都圏および東京都内の戸建相場を見てみましょう。
あくまで平均価格ですので、土地の広さや建物の構造など諸条件により価格は上下します。

地域新築一戸建ての平均価格
首都圏地域4,479万円
東京都5,275万円
東京23区8,414万円
横浜市5,911万円
千葉市3,841万円
さいたま市4,328万円

参考:株式会社東京カンテイ プレスリリース(2023年9月7日)

この情報を見ると5,000~6,000万円の借入金に1,000万円の自己資金があれば、様々な選択肢が検討できそうです。ただし、東京23区内の新築一戸建ては資金的に厳しいです。

まとめ

世帯年収1,000万円の家庭は住居に関する選択肢も豊富にあります。しかし、実際の可処分所得や将来のライフプランを考慮して計画を立てないと、ローンの返済金が家計を圧迫してしまう可能性があります。
FPに相談し、しっかりとした資金計画を立てて、首都圏の戸建てマイホームを手に入れることをおすすめします。

記事の監修

中洞 智絵
2級ファイナンシャル・プランニング技能士、確定拠出年金診断士
得意分野は総合的なコンサルティングによる、バランスの良いリスクマネジメントと資産運用。「クライアントのやりたいことを応援する」が信条。ライフワークは学生時代から続けている箏(こと)演奏で、定期的に演奏会等で披露している。

メッセージ

ライフプランニングの作成を通じてクライアントの抱える問題を総合的に解決することを大切に面談をしております。 お金のことを考えることは人生を考えること繋がります。 クライアントの未来を一緒に作っていく仕事をしていきたいと思っております。 個人的に音楽で大学を卒業した経験から音楽や芸術に力を入れられる家庭やお金で未来を諦めない家庭が増えてほしいと願いコンサルティングをしております。

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この記事を書いた人

・ペンネーム:あおや
・不動産歴:12年
・得意な不動産ジャンル:不動産投資(アパート一棟投資)
・保有資格:宅地建物取引士、CFP、証券アナリスト
40代男性。一橋大学商学部卒。
宅地建物取引士、CFP、証券アナリスト。
20年以上、大手証券会社に勤務。富裕層向け金融ビジネス(プライベートバンキング業務)や金融商品の開発業務を担当。
現在は独立、個人投資家としてさまざまな投資を行いながら、金融・不動産ライターとして執筆活動に従事。
不動産投資(アパート一棟投資など)や株式、FXの投資経験は10年以上で、現在も日々実践中。

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