住宅購入を検討中の方は情報収集などされてらっしゃることと思います。
住宅購入では物件や居住地の情報だけではなく、住宅ローンの返済方法も重要な情報です。
今回は住宅購入で重要となる住宅ローン返済の上手な方法をまとめました。
マイホーム購入の準備で重要なこと
住宅ローンの返済に関して、重要なことは金利のタイプを選ぶことです。
金利タイプの種類には「固定金利型」、「変動金利型」、「固定金利期間選択型」があり、各金融機関によって金利の設定が異なります。
各家庭によってどの金利設定が適しているか、FPの方にそれぞれシミュレーションをしてもらって大体の金額が目で見てわかると選択もしやすくなるでしょう。
住宅ローンを組む際は、将来必要な費用についても考慮する必要があります。
一般的に返済額が手取り年収の25%以内であれば、無理なく返済できると考えられますが、教育費が重くなったり、突然の出費がかさむような時期に手取りの25%を超えてくると返済が厳しくなる可能性が高いです。
できれば世帯年収の20%以内に収まるのが理想です。そして、返済期間の設定は、借入時の年齢・借入総額・定年までの年数を考慮し、無理のない範囲で設定するのが良いでしょう。
もしくは、退職金などで繰り上げ返済をして、リタイア時には完済できるように計画できれば良いですね。
マイホーム購入の際には、購入代金以外にも諸費用がかかります。各種税金、手数料、火災・地震保険料、引越し代(+住宅ローン諸費用)等です。それらの費用の支払いも含め、いくら支払っていく必要があるかを考えなければいけません。
さらに、節税のためにも必ず利用したいのが住宅ローン控除です。
借入者の年収が2000万円以下であれば、条件はいくつかありますが一般住宅で3000万円までのローンを組んでいれば、(2023年であれば新築から)13年間、ローンの毎年の年末残高の0.7%が控除される制度です。
これは、自動的に控除されるものではなく、本人の申請が必要ですので注意が必要です。
税制に関してもFPの必要知識の範囲ですので、いろいろアドバイスをもらえます。
法律改正や税制改正はよくあるので、常に知識の研鑽が必須です。
その点、FPは講習会や講演会等に出席し知識をアップデートする義務があるので信頼できるでしょう。ライフプランを考える時は現在の状況はもちろん、将来も見据えた資金計画をきちんと立てる事も重要です。なかなか開示しにくい資産状況や貯蓄額等ですが、将来設計に必要な事柄を伝えなければ正確なプランニングはできません。
資金計画の立て方で重要なこととは?
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住宅ローン控除を受ける手続き
住宅ローン控除を受けるには、初年度は自分で確定申告をすることが必須です。2年目以降は年末調整で手続きが可能です。会社にお勤めの場合、2年目以降は勤務先での年末調整で申告できます。初年度に確定申告をすると、秋ごろに税務署から「給料所得者の住宅借入金等特別控除申告書」が送られてきますので、次年度からは、この書類と住宅ローンを組んでいる金融機関から送られてくる「年末残高証明書」を会社へ提出すればよいのです。住宅借入金等特別控除申告書は、全部まとめて送られてきますので、きちんと保管し、くれぐれも紛失しないように気を付けてください。
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住宅ローンの審査ポイント
住宅ローン控除を受けるには審査があります。
ここでは審査でどこを見ているか解説します。
「安定した返済が見込めるかどうか」
住宅ローンの審査ポイント1点目は、安定した返済が見込めるかどうか、十分な返済能力があるかどうかです。分かりやすい例だと「年収と物件価格の倍率」が挙げられます。1つ参考になる資料を確認してみましょう。2023年8月に住宅金融支援機構から発表された「2022年度フラット35利用者調査」によると、世帯年収の何倍の物件が購入されたかを示す「年収倍率」は、新築物件で7倍程度、中古物件で6倍程度となっています。
もちろん、物件全てを融資で引く人も自己資金を何割か入れる方もいますから、一概に「年収の何倍を借りている」とは言い切れませんが、少なくとも「世帯年収の6-7倍の物件を購入している人が多い」というのは1つの目安になると考えられます。
ちなみに細かな条件については、それぞれの金融機関が設定する「審査金利」や、収入に対しての「返済負担率」を考慮した上で決定されます。金融機関ごとに審査基準は差がありますので、1つの金融機関で断られたとしても、別の金融機関に打診してみることもおすすめです。
また、現在の年収はもちろん重要ポイントの1つですが、住宅ローンは長期にわたって返済を続ける必要のある債務です。そのため、「長期にわたって返済を続ける能力があるか」も重視されるポイントです。具体的に言うと、借り入れ時点での年齢や、会社員の場合は現在勤めている会社の定年、勤続年数、勤務先そのものの健全性などもチェックしている金融機関が多いです。最近は変わりつつありますが、住宅ローンの借り入れには同じ企業に3年以上勤めていることを条件にしている金融機関もありました。また、例えばインセンティブで収入が大きく上下する業界、例えば不動産業界や生命保険業界の営業マンよりも、安定した収入が見込める年功序列の企業や公務員が優遇される場合もあり得ます。いずれにせよ、「自分の返済能力をいかに銀行員にアピールできるか」という点が住宅ローンを借り入れる上での1つのポイントであると言えるでしょう。
審査のポイントは他にもあった!
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ローン審査に落ちる人、通る人
ローンの審査はどこを見るのか?
節税効果抜群のペアローン
マイホームを購入の際に利用する住宅ローン。借入金額も大きいのでローンの種類選びにも迷うところです。
現代は、核家族が主流となり共働き夫婦の割合は2000年を境に増え7割に迫っています。このようなライフスタイルの変化に伴い共働き世帯にお勧めなのが「ペアローン」です。
ペアローンとは、一つの住宅に夫婦それぞれが主債務者(お金を借りる人)として、お互いが相手の住宅ローンの連帯保証人になり契約する方法です。つまり、一つの住宅にローン契約が二つある状態です。尚ペアローンは、夫婦のみではなく、親子でも利用することが出来ます。家族で協力して世帯年収を活かせる方法です。
借入可能額を増やすことができる。
予算が増えるので、高額な住宅を購入する可能性も増えます。
住宅ローン控除が二人分使える
住宅ローン控除は、新築住宅や再販買取住宅では最大13年間、既存住宅では10年間、毎年支払ったローンの残高に応じて納めた税金が戻ってきます。住宅ローン控除を受けるためにはローンの名義人であることが条件です。ペアローンでは、夫婦が別々の名義人で借り入れをするため二人分の控除が受けられます。節税効果が大きくなります。
新築の長期認定優良住宅や低炭素住宅を建てることができる
借入限度額が多くなることで、借入額の上限が一番高い条件である「新築・長期認定優良住宅」や「低炭素住宅」を購入することが可能となります。住宅ローンの控除額を有効活用できます。
金利の違うローンの組み合わせも可能に
ペアローンは、それぞれが別の契約なので、金利別にローンを選択することも可能です。
例えば、夫の借り入れ割合が多いので、夫のローンは長期の固定金利で比較的安定した返済を続ける。妻の分は金利の低い変動型を選んで短期間に返済を進める。というプランも可能になります。固定金利か、変動金利かと迷っている場合にも組み合わせによって自分たちにあった方法を選べます。
ペアローンのデメリットとは?
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節税効果絶大!
共働き夫婦が利用できる
ペアローンのメリットを解説!
変動金利と固定金利の違い
人生において最大の買い物の一つである、マイホーム購入。大きな決断と責任が伴います。その際ほとんどの方が利用するのが住宅ローンです。住宅ローンを利用する際、まず選択を迫られるのが3つのタイプのローンです。
住宅ローンには大きく分けて2つ、「変動金利型」と「固定金利型」、そして「固定金利型」の中にも「全期間固定金利型」と「固定金利選択型」の2つの種類があり、大まかに3つの種類に分けられます。
今回はそれぞれのメリットとデメリットを見ていきます。
変動金利型
変動金利型は、名前の通り金利が変動する住宅ローンの種類のことです。変動金利型は、市場金利の変動によって負担する利息や返済額が変わるという特徴があります。金額がその都度変わるという不安定さはありますが、固定金利に比べて借入時の金利は低いです。変動といっても頻繁に変化するというわけではなく、6ヶ月に一度の見直しです。(年に2回)その金利の動向に合わせて5年毎に返済額が見直しされます。
一般的に、変動金利が引き上げられた場合でも、5年間は返済金額が変わらないまたは、6年目に見直され、金利が上昇して毎月の返済額が増えても1.25倍の範囲内という金融機関もありますが、6年目見直や1.25倍の範囲内(125%ルール)には、デメリットもあります。
もし、金利上昇をしても当面の返済額は抑えられますが、増えた分の利息が減るわけはない点です。毎月の返済金額は変わらなくても、利息分が占める割合が増えるため、元金が減らなくなる恐れもあるのです。
但し3つのタイプの中でも一番金利が低いのが変動金利です。とにかく金利の低さを重視したい方や、金利上昇をした場合でも返済を続けられる方、借入金額が低かったり借入期間が短く、金利変動の影響をあまり受けないような方は、こちらの金利タイプがおすすめです。
固定金利選択型
固定金利選択型は、一定の期間は固定金利で、その期間の終了後は固定金利と変動金利を選択できるタイプです。原則として、一定期間内は変動金利への変更はできなくなっています。
固定金利選択型のローンは、固定金利の期間を、2年・3年・5年・10年等、金利が変化しない期間を選ぶことが出来ます。固定期間の年数は金融機関によって異なりますが、期間が短い方が金利が低い傾向があります。
一般的に固定期間終了時に手続きをしなければ自動的に変動金利へ移行しますが、再度固定金利の期間を選択することも可能です。期間終了ごとに金利の種類を選べるので割と柔軟に対応できます。
子供の教育資金が必要な時期がある等、ライフプランにおいて、一定期間支出が増加したり、金利変動で毎月の返済額が変化すると困る人におすすめです。
全期間固定金利型
全期間固定金利型は、ローンの完済までずっと金利が変化しないタイプです。毎月の返済金額が最後まで変わらないので、ライフスタイルに影響はあまりありません。
ただ、金利が低い状態が長く続く場合、変動金利に比べて金利が高いので支払利息が高くなってしまうというデメリットはあります。
金利変動を気にせずに計画的に安定して返済を続けていきたい人はこちらのタイプがおすすめです。
固定金利と変動金利どちらも使える方法とは
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固定金利と変動金利は何が違う?
メリット、デメリットをFPが解説!
上手に使いたい住み替えローン
現在住んでいる自宅の住宅ローン残債と、新しい自宅を購入するための資金を合算して借入できるローンのことです。例えば、住宅ローンの残債2,000万円、売却代金1,500万円の場合、2,000万円―1,500万円=500万円。つまり、売却代金によって返済できないローン残債が500万円ということになります。この状況で3,500万円の新居を購入しようとした場合、住み替えローンを使えば新居購入代金3,500万円+現在の住宅ローン残債500万円=4,000万円を借入できるのです。
住み替えローンを使用する際には、資金計画を十分に行うことと、税金控除を把握する必要があります。
通常の住宅ローンとは異なり、新居に対してオーバーローンを組むことになるため、これから紹介する方法をうまく活用して、住み替えローンを上手に使っていきましょう。
プランを比較する
住み替えローンは各金融機関がそれぞれのプランを準備しています。
まずは、資金計画の段階で情報収集を行いご自身にあったプランを決めておきましょう。
審査条件や年収による借り入れの上限額も把握できるため、購入予定の新居探しや月々の支払いなどの参考にできるので、必ずプランを比較しましょう。
また各プランに付随して加入する団体信用生命保険にも目を通しましょう。ガンや三大疾病だけでなく、日常生活で起こる事故やケガにも対応しているものもあり、金融機関により取り扱っている保険種類が異なります。
複数の不動産会社に相談する
住み替えを検討する場合は、必ず複数の不動産会社に相談しましょう。
もちろん購入予定の物件を仲介してくれる不動産会社に依頼するのも有効ですが、売却や買取を得意とする不動産会社も多いので是非検討をおすすめします。一社だけにお願いするより複数の不動産会社に依頼することで査定額も異なり、条件交渉なども可能になります。
住み替えで使える税金の特例を理解する
住み替えをする際に使える特別控除を紹介します。
居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除の特例 | 居住用財産を売却したときは譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる特例。物件を売却した際に発生する売却益に対して、3,000万円までは譲渡所得税が発生しません。 |
マイホームを売却した時の軽減税率の特例 | 所有期間が1月1日時点で10年を超えている居住用財産を売却して、一定の要件にあてはまれば通常よりも低い軽減税率が適用されます。 ※「3,000万円特別控除の特例」との併用も可能です。 |
特定のマイホームを買い替えた時の特例 (特定の居住用財産の買換え特例) | 居住用財産を売却して買い替えたときは、一定の要件のもと譲渡益に対する課税を繰り延べることができる特例。 所有期間が10年を超える物件を売却し、新しく建物50平米以上、土地500平米以下の住居を購入するなど一定の要件にあてはまる場合に適用できます。 物件の売却価格とマイホームの購入価格を差し引きし、同額部分に対する課税を繰り延べすることができます。 税金が減免されるのではなく繰り延べられるという点に注意が必要です。 ※「3,000万円の特別控除の特例」とは併用できません。 |
紹介した3つの特例は売却益が出るときに使える可能性がある特例です。それぞれ適用には要件があるのでしっかりと確認するようにしましょう。そして、併用できるもの、できないものがあるので注意が必要です。
また、3つの特例は住宅ローン控除とは併用できないのでこちらも注意が必要です。
住宅ローン控除を適用した場合の軽減率と売却益が発生した場合の所得税を比較し、事前に不動産会社などに相談して比較してもらいましょう。
住み替えローンの条件とは?
詳しい解説はこちらから
住宅ローンが残っている家を売却!
住み替えローンの上手な使い方とは
賃貸併用住宅でローンを返済
賃貸併用住宅とは、一つの建物の中に、個人の居住用スペースと賃貸用スペースがある建物のことを言います。2階建てや3階建ての一部をマイホームとして使用し、2階・3階部分を第3者に賃貸するなどで、家賃収入を毎月のローンに充てることができるというメリットがあります。
将来的には、賃貸部分を両親やお子様と一緒に住んで2世帯住宅にすることも可能です。
居住スペースは別だとしても、やはり第3者と同じ建物に住むことになるため、プライバシーの確保やトラブルが無いわけではありません。まずは、賃貸併用住宅のメリット・デメリットを見てみましょう。
賃貸併用住宅のメリット
賃貸併用住宅の1つ目のメリットは、住宅ローンとして融資を受けられることです。住宅ローンは、基本的には個人が自宅を建てるためのローンであり国民が住宅を取得しやすくするために考えられた政策的なローンです。一方、不動産投資目的のアパート経営の為のローンは、アパートローンといい住宅ローンより返済期間も短く、金利も高めに設定してあります。構造上判断される、法定耐用年数によって返済期間が決まりますので、短くなればなるほど月々の返済金額も大きくなってきます。賃貸併用住宅は、条件によって個人向けが基本の住宅ローンを利用することが出来るのです。
2つ目のメリットとして、家賃収入で自宅部分のローンの返済ができることです。入居者がいれば(空室でなければ)、家賃収入があるのでそれを返済に利用できるので負担を軽くすることが出来ます。
3つ目のメリットとして、固定資産税の特例もあります。住宅用地についての固定資産税の軽減措置です。住宅用地の課税標準額については一戸あたり200㎡までが1/6、200㎡を超える部分については1/3に減額されます。さらに賃貸併用住宅の場合、戸数が増えればその分減額できる面積が大きくなるのです。
賃貸併用住宅のデメリットとは
詳しい解説はこちらから
賃貸併用住宅の
住宅ローン控除の条件とは?
注意点も詳しく解説!
まとめ
住宅ローンの上手な返済方法をご紹介しました。
返済の方法一つで月の支払いや、老後の余裕にも差が出ます。なるべくなら負担が少ない方法で上手に返済していきたいですよね。
イエジャーナルでは不動産の売却や購入のご相談を承ります。